心理学用語(あ行)

    • 愛着 attachment  J.ボウルビイによって作られた概念で、人間や動物が示す特定の対象や物に対して形成する情緒的結びつきのこと。特に幼児期までにおける子どもと養育者との間に形成される母子関係を中心とした情緒的な結びつきをいう。
    • アイデンティティ identity  自我同一性、自己同一性。あるいはそれがよって立つところのもの。発達心理学者で、精神分析家であるエリクソン(Erikson,E.H)が提唱した概念。自分としての一貫性、同一性を与えているものは何かということへの意識、自己確信。他者や社会によって承認され、認識される自己の同一性。
    • アカシジア akathisia  静座不能、着座不能あるいは静止不能とも呼ばれる錐体外路症状のひとつ。主な症状は、座ったままでいられない、じっとしていられない、下肢のむずむず感や灼熱感等の自覚症状があり、下肢の絶え間ない動き、足踏み、姿勢の頻繁な変更、目的のはっきりしない徘徊など。原因としては、主に、一部の抗精神病薬の副作用として現れる。
    • アスペルガー症候群 Asperger syndrome  興味・関心やコミュニケーションについて特異であるものの、知的障害がみられない発達障害のこと。自閉性障害(自閉症)の高機能群ともいわれ、社会的機能や対人関係の問題、常同的・反復的な行動などがみられるものの、言語障害は比較的少ない。対人関係の障害や、他者の気持ちの推測力といった心の理論の障害が原因のひとつと考えられている。
    • アニマ anima  ユングの概念で、男性のうちに存在する女性像。
    • アニムス animus  ユングの概念で、女性のうちに存在する男性像。
    • アニミズム animism  J.ピアジェが提唱した概念で、幼児期の思考に見られるひとつの特徴で、命のない事物をあたかも命があり、意志があるかのように、擬人化して考える傾向をいう。
    • アフォーダンス affordance  アメリカの心理学者J・J・ギブソンが提唱した概念で、「afford」と「-ance」の造語。アフォーダンスとは、環境が動物に提供する「価値」ないしは「意味」のこと。
    • アレキシサイミア alexithymia  P. E. シフネオスらによって提唱された概念で、自らの自覚・認知したり表現することが不得意で、空想力・想像力に欠ける傾向のことをさす。「失感情症」などと訳されることがあるが、感情を認知することの障害のことである。
    • 意識の流れ streem of consciousness  ウィリアム・ジェイムズが提唱した概念で、人間の意識は静的な部分の配列によって成り立つものではなく、動的なイメージや観念が流れるように連なったものであるとする考え方のこと。
    • インテーク面接 intake interview  クライエントに対して最初に行われる面接のこと。初回面接、受理面接とも言う。インテーク面接の目的は、クライエントとの間にラポールを形成し、主訴を明確にし、問題の概要を把握した上で、治療の方針の決定および問題解決の手がかりをつかむことにある。氏名や生年月日、生育暦、現病歴、家族構成などの情報、カウンセリングに必要な事項についての情報収集を行う。
    • イド id  フロイトは人間の精神構造をイド、エゴ(自我)、スーパーエゴ(超自我)の3つの構成概念を用いて説明した。イドはリビドーと呼ばれる精神エネルギーの源泉である。快楽原則に従い、衝動を解放したり満足を求めたりするので、意志によって制御するのが困難とされる。
    • 印象形成 impression formation  対人認知の主要な側面のひとつ。容貌、声、身振り、風評など、他者に関した限られた情報を手がかりにして、その人物の全体的なパーソナリティを推論すること。
    • 因子分析 factor analysis  複数の結果変数からなる多変量データを統計的に扱う多変量解析の手法のひとつで、心理学におけるパーソナリティの特性論的研究など、心理尺度の研究手法として使用される。
    • ウェクスラー成人知能検査 Wechsler Adult Intelligence Scale 略称WAIS  16歳以上の成人用に標準化された知能(IQ)を測るための一般的な検査。言語性と動作性の2種類の検査から構成されており、言語性IQ、動作性IQ、そして全体IQが算出できる。
    • エゴ(自我) ego  フロイトは人間の精神構造をイド、エゴ(自我)、スーパーエゴ(超自我)の3つの構成概念を用いて説明した。エゴはイドから分化したものであり、現実原則に従ってイドと外界との媒介の役割を果たす。現実原則に基づく思考によって統制されている。
    • エディプス コンプレックス Oedipus complex  フロイトが提唱した精神分析における自我発達の中心概念。男児が3から5歳の男根期に無意識のうちに母親には愛情を抱き、父親には憎悪を抱くという複合感情のこと。ギリシア神話に登場するエディプス王に由来し、エディプス王は父親と知らずに父親を殺し自分の母親と結婚したという物語。
    • エレクトラ コンプレックス electra complex  ユングが女児におけるエディプスコンプレックスを指すものとして命名した。3から5歳の女児が父親に強い独占欲的な愛情を抱き、母親への敵対心を持つことで起こる無意識の葛藤。
    • エロス Eros  フロイトはエロスを人間の基本的本能のひとつとして捉え、自ら積極的に苦悩を求めたり、敵意や攻撃心など死へと向かう死の本能(タナトス)に対して、生きること快楽を求めることといった生の本能をエロスとした。
    • エンカウンター・グループ encounter group  カール・ロジャースが開発したカウンセリングの方法で、自己成長を目指す集中的グループ活動。構成的エンカウンター(予め課題が用意されたもの)と非構成的エンカウンター(予め課題が用意されていないもの)に大別される。
    • オペラント条件づけ operant conditioning  学習の一種。レバーを押すとエサがもらえる装置を設置した箱の中にネズミを入れると、次第にレバーを押せばエサがもらえることを学習し、自発的にレバーを押すようになる。このような反応のことをオペラント行動といい、オペラント条件づけとは、オペラント行動が自発された直後の環境の変化に応じて、その後の自発頻度が変化する学習をいう。道具的条件づけ、または、スキナー型条件づけ、オペラント学習ともいう。